メッセージ

2024年11月09日の記事

2024/11/09(土)初めて両面基板を作ってみた(両面感光基板を使用)

2024/11/09 3:08 電子工作
初めてですが、結構上手く行ったので、一部でも参考になればと考えています。
今回は、サンハヤト社謹製の両面感光基板を使用しました。
最初にお断りしておきますが、当方は、サンハヤト社の回し者ではありません。道具を売っている製造業者をこれしか知らないので・・

○ 両面基板作成にあたって固有に必要と思われるもの
・両面感光基板 感光基板でプリント基板作るのであれば、必然的ではあるが・・・
・両面感光基板対応露光装置 当方は、昔買ったこれまたサンハヤト社謹製の BOX-W9B というものを使っています。
 しかし、これはもう現在では製造自体していません。
 後継となる対応機種はなく、両面基板対応のものは BOX-W7000 しかない。
 しかもこれは20万円以上するため、現実には、BOX-S3000 にて片面ずつ露光するか、BOX-S3000 も安くないため、各自の創意工夫が求められる部分であることがネックですね。
・両面テープ
20241109_01.JPG
 露光時、基板の位置固定に使用します。粘着力は弱いのものを選びましょう。
 撮影時、この粘着テープを使用しましたが、これでも粘着力が強すぎると感じました。


・プリント基板の切れ端
20241109_04.JPG

 両面テープと共に、基板の位置固定に使用します。
 プリント基板は1.6mm厚または1.0mm厚のものが多いので、
 現物と同じ厚みのものを2枚必ず用意しましょう。

 撮影時の不手際で、両面テープを張った状態の切れ端になっています。。
・スルピンキット
(スルーホールを作る場合)
20241109_02.JPG
 0.8mm用のものを用意しましょう。最も小径且つ最も多く使うのが 0.8mm穴。
 個人的にはこれでも太いと思う。

 ワンランク細いもの、例えば 0.7mm とか 0.6mm ものが欲しいですね。
・はんだ吸引機
(スルーホールを作る場合)
スルーホールの生成時に必須なのです。詳細はスルピンキットの説明を参照お願いします。
次に、具体的な制作方法の要点です。
20241109_03.JPG
1)パターン作成
 先ずは通常通りパターンを作成します。
 この時、基板アートワークの外側にトンボ線を必ず入れておきます。
(いわゆる十字線とかトリムマークと称するもの)

 これが重要です。
20241109_05.JPG
2)ポジフィルムの張り合わせ
 トンボ線に平行になるように2辺に両面テープで基板の切れ端を合わせ、
 裏面と表面のトンボ線を合わせつつ、貼り合わせていきます。
 この精度が裏表のズレの精度に直結しますが、トンボ線に合わせることで、
 意外と0.1mm以下の誤差にすることが可能です。

 裏表や上下を間違えないように、細心の注意を払いましょう。
20241109_06.JPG
3)通常どおり、露光とエッチング
 両面基板ですから、
 露光もエッチングも片面基板2枚分の考慮が必要なことに注意しましょう。
 いつも片面基板ばかりで作業していると忘れがちなところです。

 過露光でごく一部のパターンが切れてしまいました・・・
20241109_07.JPG
4)スルーホールの作成
 スルーホールにしたい穴にスルピンキットでスルーホールを作成。
  ― スルーホールを打ち込み、
  ― ハンダで埋め込み、
  ― ハンダ吸引機で余分なハンダを吸い取る・・
 という工程の繰り返しですが、
 慣れないので仕上がりがかなり汚くなってしまいました・・・
 ハンダ吸い取り機は小さいほうがいいかもしれません。
20241109_09.JPG
5)実装してみた
 一部部品の実装サイズ確保を誤ってしまい、
 更なる空中配線の部品が出てしまいました・・・ orz

 しかしながら、動作はしたので、これで完成としてしました。