2018/02/10(土)〔続き〕(自宅の)インターネットで IPv6 が使えるようになった。FreeBSD pfのNAT66 を採用・・

先日の続きです。
単純な構成なら、問題なく IPv6/IPv4 のデュアルスタックで動作するようなのですが、筆者のLAN環境は通常業務とシステム開発の両方を同時進行で行うため、歴史的経緯で以下のような変な構成になっています。(機器類はもっと数あるんですが、かなり端折って書いています)
20180210_1.png
「IPv6 の接続優先度を下げる」という事例は沢山ありますが、その逆は殆ど事例がありません。
何故なら、デュアルスタックにおけるデフォルトの挙動が『IPv6 優先』だからなのです。

当方のように「IPv4 接続がどうしても優先される(IPv6 でつながる場合もある)」という不可解な現象は、Windows10 においては、LANが複数あってインターネットへの接続ができる場合に特定のLANが優先的に選択され、選択されたLANが IPv4 しか通信できないと、見かけ上 IPv4 優先に見えるのではないか、という推測を立ててみたわけです。

具体的には「実験環境用ルータ兼サーバ」と記したサーバに NAT66 を設定することでほぼ解決しました。
'NAT66' とは IPv4 における NAT の IPv6 版といった感じです。
'NAT64' という機構もあるのですが、ここでは割愛します。

当該サーバのLANカード情報を以下に示します。
このサーバには、LANカードを2枚挿しし、相互に通信できるようにしていますが、
re1 → re0 への通信において NAT66 を設定しています。
20180210_2.png
①がプロバイダと接続する IPv6 アドレスで、このIPアドレスは今回使用しているプロバイダの提供機能上、半固定です。
何故「半固定」という謎仕様なのかは、最低限 IPv6 の基礎を理解する必要があるため、今は「そのようなものだ」と思っておいてください。

②が実験・製品開発業務用に使うLAN2のルータIPアドレスで、fdxx: で始まる「ユニークローカルユニキャストアドレス」というもので、IPv4 でいうところの「プライベートIPアドレス」に相当します。

/etc/rc.conf に以下のように設定します。(IPv6 関連のみ抜粋。この他に pf の設定も忘れないように。)
20180210_4.png
/etc/pf.rules (任意のファイル名で可能)には、下記のように設定します:
20180210_5.png これは、必要最低限の設定です。ぼかしてあるところは設定の必要ありません。

こうすることで、どちらでアクセスしても IPv6 で通信可能であれば、IPv6 が優先するはずです。再起動して再度、例のサイトでチェックしてみました。
20180210_3.png
このIPアドレスに見覚えないでしょうか?
この記事の2枚目の画像キャプチャ中で「①」と示したIPアドレスと一致します。
NAT66 が機能し、且つIPv6 アクセスが出来ていることが確認できました。

IPv6 接続を優先すると、「従来の IPv4 接続に時間かかるだろうが!」と思われる諸氏もいるかもしれませんが、それは、IPv6 でインターネット接続が出来ない環境での話。
筆者の環境は「IPv6 でインターネット接続が出来るようになった」ため、IPv4 接続が出来ない状態にならない限り、そういう現象には出くわさないです。

この数年、技術的記事ネタ切れ状態でしたが、暫く「IPv6の基礎」ネタで技術的な記事が書けそうです。(苦笑)

2018/02/07(水)(自宅の)インターネットで IPv6 が使えるようになった。が・・・

2018/02/07 8:00 雑多なトピック
昨日、「IPv6 接続が出来るようになりました」というお知らせが電子メールで来たため、確認作業を行いました。10日もかからなかったらしい。
だが、ハマってしまった。。

数ある接続確認サイトで軒並み
「IPv4で接続しています」「IPv6で接続されていません」
と言う表示で、本当に接続出来ているのか? という疑わしい状態。
最終的に接続確認は、これを使いました → http://whatismyipv6address.com/
こんな感じです:
20180207_3.png
しかし、IPv6アドレスで直接Webサイトアクセスすると、これは出来ているので「出来ているっぽい?」という意味不明な状況。
試行錯誤しているうちに、LANカード(ネットワークアダプタ)のプロパティ変更すると、IPv6接続することが判明しました。
具体的には:
20180207_1.png
上記赤枠で示したIPv4を使わない設定という暴挙です。

こうすると、こんな感じになります:
20180207_2.png
IPv6 アドレスが出てきました。でも IPv4 を無効にすると全く使えない。。

筆者の手元で使用している Windows10 は、デフォルトの挙動が IPv6 優先接続になっています。
#そのため、IPv6 を無効にする設定方法が沢山の有志によって掲載されている

しかし、接続はどう見てもIPv4 が優先している挙動です。
IPv6 に対応しているサーバなり、Webサイトなりであれば、優先してIPv6 で接続し、そうでなければ IPv4 で即座に接続するような挙動であってほしいのだが。。

IPv6 に対応しているか否かは、DNS索引で判ります。
今後の記事で少しずつ出てくる(予定)と思っていますが、DNSのIPアドレス情報(正引き、ホスト名からIPアドレスを得る)には
 ・IPv4用の Aレコード
 ・IPv6用の AAAAレコード
の2種類あり、AAAAレコードがあればIPv6対応という判断が出来ます。
昨今では、技術的にはそのような挙動をするような作りを求められているところです。[RFC 8305参照]

今週はこの調査と環境整備で潰れそうです。

2018/02/04(日)(自宅の)インターネット接続プロバイダを変更してみた

2018/02/04 8:19 雑多なトピック
6年近く、GMOの固定IP1個プランで頑張っていましたが、
この度、IPv6 を調査して IPoE 接続を使う必要性に迫られてきたのと、通信費関係の請求を出来るだけまとめてくれたほうが管理が楽(註:筆者の固定電話は『ドコモ光』です)ということもあって、プロバイダを乗り換えることにしたのです。

GMOは現状では IPoE 接続での固定IPv6接続には対応しないらしいというのが直接のきっかけですが。。(要するに技術的な懸念)

GMOは、ドコモ光対応のプロバイダで「タイプA」なのですが、固定IPプランは、『対象外』で、「単独タイプ」というものに強制されてしまいます。
「タイプA」「タイプB」「タイプC」は、プロバイダ接続料込の料金がNTT docomo から一括請求(プロバイダ固有のオプションサービス除く)で、割安になるパターンが多いようなのですが、
「単独タイプ」は、従来通りプロバイダ接続料を別途プロバイダへ支払う形の上に、却って割高になるパターンが多いようなので、このあたりはプロバイダ選びに注意する必要があります。

画面見ると、どこのプロバイダに乗り換えたかがわかる人には判ってしまうのですが、以下、「ドコモ光」におけるプロバイダ選びの一例として参考になれば幸いです。

筆者の場合は、2018/01/11 にドコモショップで手続きを行い、2月1日から切り替えということで話が進みました。ちょうど3週間あります。
ドコモショップで手続き後、数日経過すると、プロバイダから電話がかかってきます。これは手続き上必ず経なればならないようです。
要するに、本人確認とプロバイダ変更の意思確認、オプションサービス希望の有無、プロバイダ固有のオプションサービスを利用予定の場合は、その分が別途徴収となるため、決済処理の手続き案内などです。

この電話確認後、更に数日すると契約内容や接続やオンライン手続きに必要なIDやパスワードが記された書類が郵送されてきます。

さて、2月1日になって、いざ接続設定します。
繋がるんだけど、固定IPで接続しない。。。何か変。。何か書類以外の情報が無いかと、オンラインで契約状態を確認します。
ん?? 「開通待ち」って何?? プロバイダでは認識されていないけど何故かつながっている??

プロバイダから送られてきた書面には下記の記載があります。

え、2月1日からって言ったのだけど。。
改めて、ドコモショップで交付された申込書類をチェックします。
先ずは変更内容:


これは、「単独タイプ」から接続プランが変わるため、これを廃止するというものですが、『工事日』『開通日』というのが・・・。え、工事日ていつよ??? 開通日って???
そういえばきちんとした説明がなかったな。。こっちはこっちで2月1日からと勝手に思っている。。


これが新しいプラン。「タイプB」に変えるという申込書です。
ちなみに 2017年1月というのは、筆者が「ドコモ光」に変更した月で、2年定期契約なのですが、今回のような場合は「承継」されるようです。
つまり、プランが変わるからといって、2年契約解約扱いにはならず、この関係で解約金だの違約金だのは一切発生しないということです。

注意したいのは、筆者の場合は「単独タイプ」→「タイプA/B/C」で、この変更パターンのみ手数料は発生しません。
それ以外の変更パターンで違うプロバイダへの変更は、どのような場合でも税抜き3000円の手数料がかかるようです(同一タイプ内でもプロバイダ変更は変更手数料の請求あり)。
但し、「単独タイプ」におけるプロバイダ変更は、ドコモ光から見たらプロバイダ対応の話は預かり知らぬことなので、この場合、ドコモ光は関係ありません。

筆者の場合は、ちょっと急いで解決しないといけない状態だったので、プロバイダのカスタマサポートに電話しました。
どうやら、最初の画面キャプチャにある「開通待ち」は表示の問題という説明を受けたのですが、これはNTT側から契約データ更新の通知が無いと変わらないらしい。
取り急ぎ解決しなければならない事案は「固定IP接続したい」だったので、この件はカスタマサポートで解決できました。
いずれにせよ、このプロバイダではカスタマサポートへ直接連絡しないと駄目なようです。(この旨、説明書きは小さく出ています)

現状はこの状態:

IPv6 接続したいのですが、「開通待ち」が解除されないとできないようです。画面表示の問題というよりは、NTTフレッツ網とプロバイダ間の情報疎通の問題。NTT側の情報更新間隔が長すぎることに問題があるのでしょう。
当方の場合は、あと10日くらいかかりそうだとカスタマサポート担当者に言われました。。。
こういうつまらないところで日本のICT技術発展が阻害されてるんだよね、、、昨今の夜になるとネットが遅くなるという問題も直接の要因はNTTの PPPoE 接続。

ドコモ光の契約内容はオンラインで確認でき、現在のプランは以下のようになっています:

オンライン上で変わるのも2日かかっているし、この情報がプロバイダ側に伝わらないと、 IPv6 接続申し込みもできない。
契約上の変更日から1ヶ月は待つつもりで対応したほうが良いかもしれません。時間かかりすぎだけどね。。

2018/01/26(金)コントロールパネル改良作業開始

2018/01/26 4:23 サーバ運営・管理
大多数の方々にはどうでもいいことではありますが・・・
弊社コントロールパネル https://ctrl.basekernel.ne.jp/ の改良作業をしています。

改良内容は:
○ 左メニューをボタン化して操作性改善
○ IPv6 対応(DNS AAAA レコード、PTR レコードの追加サポート)
○ サブドメイン、逆引きゾーン対応

といった、DNS絡みが中心です。
逆引きゾーンは弊社の場合、弊社技術者以外は一般には使うことがない機能ですが、
どのようなニーズにでも対応できるように公式提供する予定。
以下は、開発版の画面。提供時には変わるかもしれません。

これが出来ないと、次の段階でLANのIPv6 対応環境が整わない状態で、先に進まないのです。

IPv6は今まであまり必要性が無かったため、特に対応しないままでやってきましたが、
今年あたりからIPv4・IPv6併用の案件が増えてくることが予測できるため、今のうちにシステム構築をある程度やっていこうという状況だったりします。

目下のところ、IPv4 とは毛色が全く違うため、IPv6 の基本的なところから学習中です。

〔2018/02/04 追記〕
システム構築の作業は終わり、これからマニュアルの更新作業ですが、これが大仕事。。。orz