相変わらず整備新幹線の動向を追っていますが、北海道、北陸、長崎で状況が全く違うようです。
面白いのは、反対派が、「自分のとこはいらん、他の路線に予算回すべきだろ」で共通している
(全部いらん、という反対派ももちろん存在する)が、根拠に出来る客観的なデータや資料が皆無なこと。
単純に「いらん」だけの感情的な意見はうんざりなんだが... #まぁ、裏を返せば必要性を認めていることになるが....
「いらん」と反対するならば、なぜ「いらん」のか、のまともな説明が欲しい。
北海道:青森県の地元負担分がネックか...
北海道新幹線の場合、東日本一帯の交通体系に大きく影響するため、
青森県の都合だけで振り回されたらたまったもんではないです。
国土の背骨であり、千歳―羽田間で年間1000万人近い輸送(世界一なのは有名)で、
過度の航空依存で交通費が航空寡占状態になっている現実もあります。
北陸:費用対効果の詰めがネックか...
北海道新幹線ほど厳しい検証が行われた形跡は表面上、なかなか見当たりません。
採算性は、北海道新幹線の反対派に言わせれば「北海道より収支がある」、
北陸新幹線の反対派に言わせれば「最も赤字の可能性が高い」
で、どちらも検証できる資料が見当たらないので、このような状況になるのだと思います。
いまひとつ問題なのは、田中角栄のまねをして「我田引鉄」を目論む大物議員がいる点。
そんな手法を露骨にしたら、逆に「本当は必要ありません」をアピールしてしまう
(下手すると間違ったメッセージを与える)のではないかなと。
長崎:佐賀県の出方次第...
他の2線は、行政の反対は無いが、佐賀県が、並行在来線の強化を主張していて揉めている様子。
客観的に見ても、必要性では一番不利な立場なのは否定できない。
ここでもめるのは、国の公共事業予算を削減する状況下なので、単純に慎重になっているだけのこと。
加えて、国鉄の記憶がトラウマになっている役人が健在であることが一因でしょう。
しかし、整備新幹線の費用総額は約6兆円ですが、比率からすれば、1年間の社会保障費の3割程度でしかありません。
(未着工区間に限れば、総額3兆円余り)
逆に社会保障費が掛かりすぎです。公共事業のうち、高速道路は毎年3000億の予算です。
社会保険庁の散材をなくせば、整備新幹線の事業費はそれほど苦労しなくても捻出できるのではないかと。
病院に通う老人をサポートする(それも必要)よりも、元気な老人を増やすような政策に何故できないのか。
このあたりまで総合的に考えないと駄目なのかもです。