2023/12/17(日)ドラッグストアや100円ショップで入手できるエッチング液を試す
2023/12/17 19:24
ですが、エッチング液を作る材料をドラッグストアや大手の100円ショップで容易に入手できます。
今回、当方では初めて試すのですが、元情報は既にネット上に複数、かなり出回っています。
なので二番煎じですが、今回は初めてということもあり、要点だけ示す形になります。
きっかけは、地元の電子部品販売店で、サンハヤト社製のエッチング液が買えなくなったからなのです。
解る人には、どこの販売店か判ってしまうと思います。狸小路にある某店です。再度置いてくれることを希望しています。はい。
通信販売で本州の販売店から入手可能ですが、送料がかかる(結果、トータルで割高になる)上に、北海道では、早くても翌々日配達なので、入手の際、使い勝手があまりよろしくない。
代替になるもの(「腐食液」「エジンバラ液」と称するもの)はあるのですが、「店舗で直接入手できるか」から調べるのが、多忙な我が身にはとても手間で時間取れないので、これから紹介する手法に落ち着いたというところです。コメントで販売情報や価格の共有を頂けると嬉しいです。
前置きがまた長くなってしまいましたが、ここから本題になります。
○必要なもの
・クエン酸
・食塩
・オキシドール(500㎖ ものが望ましい)
=> この3つでエッチング液を作ります。
最近、クエン酸・オキシドール・食塩は、ダイソーや Seria といった大手の100円ショップで販売されているようです。
【2024/01/12 追記】
・ジップロックまたは同等品(冷凍用を選ぶこと)
=> これは、100円ショップあたりでも入手できますね。
・重曹
・アルミホイル
=> 廃液処理で使います。
重曹もダイソーやSeria といった大手の100円ショップで販売されているようです。【2024/01/12 追記】
・重量計
・計量カップ(200㎖ ものでよい)
・耐熱プラスチックトレイ(20cm x 30cm 以上、深さ 5cm 程度が望ましい)
・コーヒーフィルター
・コーヒードリッパー(プラスチック製のもの)
=> 調合や廃液処理に使います。重量計は郵便物の重量を計測する秤などが使えます。ホームセンターなどで販売しています。
計量カップ・耐熱プラスチックトレイ・コーヒードリッパーは、一度でもエッチング処理に使用したら、
有害物質が付着するため、本来の用途には使えません。
なので、専用のものを別途用意するようにしましょう。重量計以外は、100円ショップで入手できるもので充分です。
○準備
クエン酸 4:食塩 1 の割合で混合粉末を作ります。
例えば、クエン酸40g に対し 食塩 10g という割合です。
どの紹介記事見ても4:1の記載ですが、食塩の割合を少し増やすと、エッチングが早く進むようです。
次に、混合粉末をオキシドールに溶かします。
オキシドールをジップロックに入れ、混合粉末を溶かします。完全に粉末が溶けるまで、攪拌してください。
オキシドールは、エッチング対象のプリント基板が浸かる程度で充分です。
基板サイズが 150mm x 75mm だったら、オキシドールは 150㎖ が適量かと思います。
150㎖ のオキシドールに対し、クエン酸 40g 食塩 10g で上手く行きます。
オキシドールの量に応じて、クエン酸と食塩の量を変えます。但し、4:1の割合は崩さないようにしましょう。
この様子を撮影するのを忘れたので、今回は割愛ということで。。。
液は無色透明のオキシドールの色、そのままです。
○エッチング実施
オキシドール混合液にエッチング対象のプリント版を入れると、途端にエッチング反応が始まります。
オキシドール混合液は、銅イオンが溶けだし、マリンブルーの色に変わっていきます。
湯煎すると反応が早く進みます。湯煎の際、液が35℃を越えないように注意します。
泡が湧いてきますので、揺すりながら泡を落としつつ状況を観察してください。
また、生暖かくなる程度に発熱するので、この点も注意してください。
ちなみに、この工程は従来のサンハヤト社製感光基板でも上手くいきます。
2023/12/08 発売開始の、新しいサンハヤト社製感光基板では、まだ試すことが出来ていません。もし新しい感光基板で、このエッチング手法を試した方が居られたら、コメントで結果共有して頂けると嬉しいです。
塩化第二鉄液によるエッチング同様、パターンの細かい部分から、広い場所にエッチングが進んで行きます。
エッチングは、最初は「本当に進んでいるのか?」という感じですが、終盤は一気に進むようです。
ここで、耐熱プラスチックトレイに水道水を入れておきましょう。水道水はプリント版が全部浸かる程度でよいです。
エッチングが終わったら、液からプリント版を引き上げて、耐熱プラスチックトレイに満たした水道水に浸し、水洗いします。
この途中経過も撮影するのを忘れたので、今回は割愛ということで。。。
物珍しさと、どうなるか判らない状態だったので、メンタル的余裕が無かったのが実際のところ。
エッチング完了後の結果だけは撮影しました。2枚同時で15分程度にて完了しました。
感光基板で露光した際に残るマスク素材を落とした後なので、銅箔が見えています。
結構そこそこな規模の回路なので、最初からぶっつけ本番なのが、かなりのリスクでした。
でも見ての通り、大変上手くいったので、この点は満足です。
○廃液処理
基本的に、この方法で作成したエッチング液は、再利用できないと思ったほうがよいでしょう。
サンハヤト社製エッチング液も、使用後のエッチング液を暫く保存したあとに再度使ってみると、実に使えない状態になっていることが多々あるので、そんなものかと思っています。
このままでは、有毒ということで下水に流せないので、廃液処理を行います。
廃液処理には、マリンブルーになった液に対して、1cm x 3cm 程度の短冊状にカットしたアルミホイルを数枚ずつ投入し、銅イオンを析出するということを行います。
この反応はアルミホイルを一度にたくさん入れると、反応が激しくなって液が熱くなるので、注意しつつ作業を行います。
液がこんな色になって、アルミホイルによる反応が起きなくなったら、この工程は終了です。
また、この工程で水素が発生します。有毒ガスではないですが、換気を良くし、火気を近づけないようにしましょう。
析出した銅の粉末混じりのヘドロのような液になります。まだ、これで作業完了ではありません。
酸性が強すぎて、このままでは下水に流せません。試しに pH試験紙でチェックしてみるとこんな感じです。
重曹を混ぜて中和します。銅粉末はもえないゴミで処分する必要があるため、予めコーヒードリッパーとコーヒーフィルターで、ろ過して分離すると良いでしょう。
下水に流すには pH 5.8 ~ pH 8.6 の範囲である必要があります。100㎖ に対し、重曹20g 程度が適当かと思います。
適当にpH 見ながら少しずつ混ぜたので、適量が良く判っていません。
中和した液は、2倍量以上の水道水と一緒に下水に流します。
次回、作業した際には、もうすこしマトモな手順を書き残したいと考えています。
2023/04/15(土)複数の電源トランスを扱う場合の注意点がよく判らない・・・
2023/04/15 23:37
パワートランジスタが壊れた回路の概略図を描くとこんな感じ ↓
トランジスタの1つ、或いは2つがコレクタ・エミッタ間で短絡故障を起こしました。
電源トランスが複数あり、一次側の0V端子側、2次側の0V端子側を共に合わせて配線しています。
こうすることで、極性が合うはずと思っているんですが、
結果的に、金属ケース筺体を利用して、ダイオードブリッジの中間を共通接地にした形というアホな回路になっていたため、何かしらの循環電流が流れる感じになっていたのかもしれません。
C05 の端子間電圧が 54V になっていたり(ここは 42.5V 以上にはならないはず・・・・)、トランジスタが壊れなかったとしても、意味不明のスパークを筺体で発生させてヒューズが飛ぶ、とか起きる謎の現象もあったので、それは、この狂った配線が原因なのだろうか・・・?
いずれにしても、色々と直観的によろしくないと思うので、下記のように変更を予定しています。
ただ、これでもパワートランジスタ故障の原因が釈然としません。
破壊するとしたら、VEBOが絶対最大定格5Vを越えたくらいしか考えられない感じで、これが発生する条件というのがどうも判りません。。
2023/04/15(土)整流回路の平滑コンデンサは容量が大きければいいというものではないらしい
2023/04/15 6:09
10年近く前に、PC-9801 のBASIC で組んで公開されていた整流回路シミュレーションがあったので、手元のMZ-2500 BASIC-M25 に移植して使っています。最低限機能させるための移植なので、色々変な部分はあるんですが。。orz
引用元の書籍を紹介しようとして、手持ちの書籍を漁ったのですが、何故か見つからない。
ということで、「原作者の方、申し訳ないです・・・」ということで、、、
いずれにしても、MZ-2500だったから移植出来たのです。他の機器だったら、かなり苦しい。
ここから本題なのですが、当初は、こんなふうにしていました ↓
そして、おもむろにこのシミュレーションを動作させてみると・・・
負荷電流1Aという、意図的に悪い動作条件を与えたんですが、こんな感じになりました。
黄色の線は電流を示しますが、正確ではないし、描画がおかしいので、とりあえず無視。
注目すべきは赤っぽい実線。
このあとに5V出力の3端子レギュレータが繋がるのですが、安定動作には7.5V以上の電圧が必要なので、14ms あたりまでは何かしらの不具合が出る可能性がある。
静電容量が大きすぎて、電圧が上がり切りません。
ということで、平滑コンデンサ C01 を下記のようにしてみました ↓
静電容量だけ変えて、他は同じ条件です。
ここまでは、安定化電源装置を動作させるための補助電源部の話で、
本当の本題は、PT2-D3-C05 で構成する、この平滑回路です ↓
22mF(22,000μF)というオーディオアンプの電源に使うような大容量電解コンデンサを当初使っていました。
安定化電源装置の最高出力電圧は24V、最高出力電流は3Aの設計です。
24Vの安定化出力を出すためには、平滑回路の電圧は27Vは欲しい。
これを安定化電源装置の設計最大電流である3Aでシミュレーションさせると・・・
40ms あたりまで、所要の電圧にはならないことが判りました。
試行錯誤で、落ち着いたのがこれ ↓
シミュレーション結果は以下。
ギリギリ大丈夫か? みたいな感じです。今までは経験と勘だけで適当に決めていたところだったが。。orz
Rs というのは、変圧トランスやコンデンサを結線する配線抵抗等ですが、これを正確に決めるのは難しく、代表的な値として0.5Ωと見做すことが多い模様。
恐らく、殆どのケースでは0.5Ωよりも小さく、このシミュレーションで得られる電圧よりは若干高めになると思います。
シミュレーション上の紫の実線の山と赤っぽい実線の山の間隔が広いと、それだけ電力損失が増え、整流ダイオードあたりが発熱しやすくなるのではないかと思われます。
ですが、このことがパワートランジスタの破損に直結するとは思えないです。