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不定期掲載のIPv6基礎ネタ第2号です。
今さら誰にも聞けないレベルになりつつある内容ですが、この「備忘録」が役立てば幸いということで。。
今後、従来からのIPプロトコルは、IPv6 と区別するために IPv4 と称することにします。
世の中での表記区別がそうなっているため、それらに倣うことにしました。
今回はIPv6 アドレスの形式です。
IPv4 では当初、クラスA,クラスB、クラスC、クラスD、クラスE というカテゴリ分けで、IPアドレスブロックの割り当てがされ、サブネットマスクは固定でした。
以下のような感じです:
クラスA 1 ~ 126 で始まるIPアドレス (サブネットマスク 255.0.0.0)
クラスB 128 ~ 191 で始まるIPアドレス (サブネットマスク 255.255.0.0)
クラスC 192 ~ 223 で始まるIPアドレス (サブネットマスク 255.255.255.0)
クラスD 224 ~ 239 で始まるIPアドレス (サブネットマスク 255.255.255.255)
クラスE 240 ~ 254 で始まるIPアドレス
このうち、クラスDはマルチキャスト通信専用で使われており、クラスEは各種実験・特殊用途向けで一般利用はできないことになっています。
0と255で始まるIPv4 アドレスは仕様的に使用不可、127で始まるIPv4アドレスは、ループバック専用で、これは用途が仕様として強制されています。
クラスDにサブネットマスクの概念そのものがなく、クラスEには、サブネットマスクの規定はありません。
#なので、クラスEの領域は実際は「IPv4 枯渇を無視して割り当てされずに温存されて」います。
クラスA,クラスB、クラスCのサブネットマスクは、1992年6月に RFC1338 で初めて CIDR(「サイダー」と称する模様) と言うクラス分けをバッサリと捨てる概念(=クラスレス化)が提唱され、 1993年9月の RFC1519 を経て、2006年8月に RFC4632 で現行のものになりました。
さて、IPv4 は、アドレスが4オクテット(4バイト)固定長で構成されます。
1オクテットずつ、ドット区切りの10進数で表記するのが通例です。
1オクテットで表現できる10進数の整数は0~255 なので、各ドット間の数字は必ず0~255の範囲になります。
これに対して、IPv6 は、アドレスが16オクテット(16バイト)固定長で構成されます。
実にIPv4アドレス総数(約43億)の 232倍 × 232倍 × 232倍 = 2128 個(約340澗 ≒3.4 ×1038) になり、『これだけあればアドレス枯渇問題は将来に亘ってほぼ皆無だろう』ということになっています。
アドレス表記も16進数表記です。これはエンジニアの間では常識ですが、16進数のほうがディジタル機器のあらゆる整数数値において親和性が非常に高いためです。
16進数表記の a ~ f は、基本的に小文字を使うように規定されています。[RFC5952, 2010年8月]
「16進数」がわからない方は、google などを使って各自調べてください。
合わせて「2進数と16進数」の関連を知ることで、何故16進数の方が親和性が非常に高いかが理解できるかもしれません。
IPv6 のアドレスは、2オクテット(2バイト)毎にコロンで区切って表記します。
そして、コロンで区切った各々の部分は「フィールド」と呼称します。
このフィールドは、省略表記(別記事にて後述)しない限り、桁数は4桁固定で必ず8個になります。
IPv6 には「サブネットマスク」という概念がありません。
その代わり、IPv4 のクラスレス化で導入した CIDR の考え方を踏襲して、「プレフィックス」「プレフィックス長」という概念が導入されました。
IPv6 における「プレフィックス」とは IPv4 で言うところの「ネットワークアドレス」、
この長さをビット長で示したものが「プレフィックス長」になります。