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昨日までの記事で、CRAM-MD5 と DIGEST-MD5 に対応が必要な案件があったことを記事にしました。
実はこれらの動作検証をするには、メールサーバが欠かせません。
実際に顧客に提供しているサーバはサービス停止を引き起こす障害が起きると、その対応となりますので、非公開のメールサーバをいじることになります。
ところが、手元のメールサーバ(dovecot + OpenLDAP + postfix) の構成にて、どのようにサポートしているのか(特にパスワード自体の管理方法)の情報が断片的かつごく少数しかありません。
弊社では、SMTP認証を dovecot-SASL に担当させ、電子メールアカウントやパスワードを OpenLDAP にて管理しています。
試行錯誤したところ、OpenLDAP には今まで通り平文管理(実際の格納形式は Base64)で、全種類いけることが判明しました。
こうなると簡単です。
dovecot.conf に
のような設定を行い、postfix 側は CRAM-MD5 や DIGEST-MD5 のための特別な設定は要りません。(厳密には、postfix側にセキュリティ的設定オプションがあるが、LOGIN 認証と PLAIN 認証をサポートするのであれば、デフォルトでいけるはず)
dovecot.conf に上記の設定を行ったあと再起動し、他ホストから SMTP を喋ってみると、サポートできていることが下記のように確認できます。
これで作業を進めることが出来ました。
昨今では、通信経路そのものを暗号化しようかという方向で、SMTP認証の CRAM-MD5や DIGEST-MD5 といった暗号化ハッシュ認証対応はどちらかというと消極的なISPが多いのですが、簡単にできるのが判っててサポートしな
いのは手抜きですので、近日中に全ての弊社メールサーバにて対応予定としたいと考えてます。
〔2016/05/16 追記〕上記は、2016/05/11 付でサポート開始しています。
SCRAM 認証は 2010年7月に RFC5802 として規定されましたが、現在どこまでサポートされているのかはよく知りません。
SHA-1 は MD5 と並んで広く使われている暗号化ハッシュ関数の名称ですが、脆弱性が指摘されていて、SSL サーバ証明書なんかがこの影響をもろに受け、SHA-2 へ移行しています。