2018/07/23(月)北海道内自治体 Webサイトの https:// 化状況

2018/07/23 22:08 インターネット
明日から明後日にかけて、話題(?) の Chrome68 がリリースされる予定です。
何が話題になっているかといえば、https:// で接続していない Web サイトには無条件で「安全な接続ではありません」というような警告が出るようになるから。

ところが、https:// 化していない自治体サイトは、現時点でも概ね半分程度あり、北海道庁の Web サイトも https:// 化していません。
リンク等を修正していたのですが、https:// 対応状況に地域差があるようなので、アホなマップを作ってみました。
それが以下の図。(緑色が https:// 対応済み自治体)
20180723.png


非対応が目立つ地域は、旭川市を中心とする上川地方、帯広市を中心とする十勝地方、あとは渡島半島の西部と北部。
準備中の自治体もあるかもしれませんが、外部からは判りません。

自治体は Web サイトの 非 https:// 状態が信用問題に直接結びつくことが無いので、
「住民に言われるまで対応しない」と安直に考えているとしたら、ちょっと問題ですね。
とはいえ、今日のこの時点で https:// 化しているならば、ICTスキル的には合格でしょう。


「ICTに明るい人材がいないか、役所内での執行力が弱い」という状態だったら、7月25日以降、Web サイト運営上の問題を引き起こす事になるでしょう。業者の責任ではなく、運営者の責任問題です。

1週間後に同じマップを作ってみて、どう変化するかを記録します。

〔2018/09/12 追記〕
殆ど変化が無かったので、1週間後のマップ作成は見送ったのですが、
今日(2018/09/12)現在でも、新たに確認できたのは、厚沢部町と西興部村の2つのみ。
ICTスキルの二極化が進んでいるのかもしれませんね。
業者は動機付けしかできません。この件で業者に責任を負わせることの無いように!!

2018/06/13(水)現行 UNIX/Linux 系OSの IPv6 プロトコルスタックは日本人が主導して開発された

エンジニア歴がそこそこ長い人(概ね15年以上な方々)には、頭の片隅で知られている話ですが、
IPv6 が国際社会で本格的普及を見せている現状で IPv6 を最近知った方々には全く知らない話ですね。

Linux 系には 1997年には既に IPv6 の実装がありました。
ただ、「マトモに動作せず、メンテナンスも行き届かない」という始末だったそうです。

そのような中、先見性があったかどうかは不明なのですが、日本で BSD系Unix に IPv6 プロトコルスタック(IPv6通信を処理する中枢部)を組みこむというプロジェクトが始まりました。もう20年前の1998(平成10)年4月のこと。
#あぁ、当ブログ管理人が脱サラする直前だ。。あの頃は本当に毎日が嫌だった・・・(爆)

そのプロジェクト名は KAME と命名されました。WIDEプロジェクト傘下のプロジェクトです。
WIDEプロジェクトは、複数の民間企業がスポンサーになっている先端技術開発を行う日本国内の団体です。

最初に FreeBSD に実装され、その後で他のBSD系Unix (NetBSD,OpenBSD等) に移植されました。
当時の Linux 系のIPv6 プロトコルスタックや 1995年頃から世界各国で始まっていた IPv6 の開発中間成果物を参考に流用出来る部分は流用しつつ、根本部分から作り直したのだろうと推察されます。

これは大部分が日本人の手で行われたのです。
自慢の必要はありませんが、どこかの国のように「世界初」と嘘・ハッタリをかます事をせず、貢献の事実として記憶しておきたいですね。

ロゴはこれ ↓
kame.gif
 (KAME Project

IPv6環境で接続すると、こんな感じでカメが動くのだそうです。
プロジェクト名の由来は、ここで説明書くよりも、google 先生あたりに「WIDE KAME 由来」というキーワードで検索し、そこで上位に出てきたサイトの説明を見る方が面白いと思うので、是非そうしてみて下さい。

そのような動きが日本にて Unix系で始まったものですから、Linux 系は、KAME プロジェクトの成果をインポートする(反映させる)プロジェクトとして、USAGI と名付けられたプロジェクトが、同じく WIDE プロジェクトの傘下で始まりました。
2000(平成12)年10月のことです。
#Unix も Linux も同じようなものと思う方々は日本では実に多いのですが、厳格に「似て非なるもの」と思って頂きたいです。


↓ バナーはこれ  (トップページ右下隅に表示されます)
usabanner1.png
 (USAGI Project

このような経緯ですので、イソップ物語同様、USAGI は決して KAME に追いつけないわけです。
KAME Project は、2005年11月の完了宣言を以って、2006年3月に活動が終了しています。
一方で、USAGI Project は、明確な完了宣言などは無いですが、2008年12月に表向きは終了しているようです。