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最近、「平年より積雪が多く、除雪費が底をつくため補正予算を・・・」という話を聴きます。
北海道といっても、積雪量は地域差がかなり大きいのです。
積雪が平年より突出しているのは、以下に示す範囲では、留萌、岩見沢、札幌、倶知安などの局所的且つ特定地域に限られています。
それ以外は概ね平年並みか、平年以下です。
雪雲は日本海から風に乗って押し寄せます。山があると雪雲は進行を阻まれ、風上側でどか雪になります。
すなわち、風向きが影響するのです。それぞれの地域の地形も大きく関係します。
冬の日本海側の天気予報的中率が低いのは、この風向きや地形を考慮しないためです。
札幌では西風だと晴れますが、小樽や岩見沢でどか雪になります。
また、北風や北西の風だと、札幌でどか雪になり、岩見沢は晴れます。
これは石狩平野の西側に山岳地帯があり、札幌付近は北側に開けた沖積平野であるのと、更に北側に暑寒別山岳地帯があるためです。
長年住んでいる方々は経験則的に理解しているのですが、気象予測の世界では、この経験則がまだまだ十分に反映されていないのです。
気象庁から積雪データを引っ張り出してみました。
図中の赤丸数字は、右上か左上が該当する地点番号です。地点名は以下に示します:
①=札幌 (平年差 +27cm)
②=岩見沢(平年差 +28cm)
③=小樽 (平年差 +20cm)
④=倶知安(平年差 +37cm)
⑤=留萌 (平年差 +43cm)
⑥=朱鞠内(平年差 +1cm)
⑦=函館 (平年差 +6cm)
⑧=苫小牧(平年差 +11cm)
⑨=白老 (平年差 -12cm)
⑩=新千歳空港 (※観測継続年数が10年未満なので平年値なし)
積雪の偏りが多少なりとも理解できると思います。
平年差+20cm 以上の地域は除雪・排雪が追いついていない場所も多いようです。
積雪の平年差は、札幌管区気象台の積雪速報を参考にしています。
先日、本州であまり雪が降らない地域に降雪をもたらした低気圧。
加えて典型的な「冬型の気圧配置」。
冬は、大陸に高気圧が居座り、時折日本付近を低気圧が通過していき、太平洋やオホーツク海で台風並みになるのです。
ですが、通年においてもまれにしか見ないような気圧で、急激に大型化しました。
昨年も同じような時期に一度ありました。
台風(熱帯低気圧)と異なるのは、強風が吹きつける範囲や影響範囲が広く・長続きする点でしょう。
札幌付近は、等圧線の方向が南北方向なので、このようなときはどか雪になりやすいです。
斜め(北西-南東方向または北東-南西方向)だと、札幌付近は地形の関係で快晴になることが珍しくなく、代わって小樽や岩見沢でどか雪になるのです。
さて、12月は北海道各地で平年の数倍になる降雪があり、道路交通に慢性的な支障が出ています。
これは、暑い時期が長かったために、日本海の海水温が高く、そこへ乾燥したシベリア寒気が低気圧めがけて吹き付けるので、雪雲がいつもよりも大型化しやすい環境にあるためです。
また、BCL的なところでは、長波放送の受信状態がずっと良好です。
これは、寒気が居座っている影響かなと思います。
寒気との因果関係はわかりませんが、寒気が強いほど長波放送の受信状態は良い傾向にあります。
この寒気は、高層天気図などによると、19日になってようやく抜ける予想になっています。
それまでは北海道では確実に真冬日が続きます。
〔気象庁発表 現況天気図〕